公開日: 2024年11月28日
最終更新日: 2024年11月30日
源泉徴収制度とは,給与などを支払う者が,支払う際に所得税額および復興特別所得税を差し引いて国に納付することです.
給与所得の源泉徴収事務は,大きく以下2つの事務に分けられます.
- 月々の給与等を支払う際に行う源泉徴収事務
- 年末調整事務
私は2022年4月に会社を設立し,現状ひとり社長となります.この会社での勤務は続けているのですが,2024年2月からアルバイトをはじめ,2024年末時点でどちらも続いている状況です.
本記事では,2カ所から給料もらっている人(従業員)の目線で年末調整の説明をします.
年末調整の理解
給与の支払者は,月々の給与等を支払う際に行う源泉徴収事務に基づき,毎月(毎日)の給与の支払の際に所得税および復興特別所得税の源泉徴収をします.この源泉徴収税額は,主に以下の理由で年税額と一致しません.この不一致を精算する手続きが「年末調整」となります.
- 年の中途で給与の額に変動がある
- 年の中途で控除対象扶養親族の数などに変動がある
- 生命保険料などの控除などは,年末調整の際に控除する
年末調整の対象とならない人の概要は,主に以下となります.
- 本年中の主たる給与の収入金額が2000万円超
- 本年分の給与に対する源泉所得税および復興特別所得税の徴収猶予または還付を受けた人
- 2カ所以上から給与の支払いを受けている人で,他の給与支払者に扶養控除等 (異動) 申告書を提出している人,もしくは年末調整を行うまでに扶養控除等 (異動) 申告書を提出していない人
- 年の中途で退職した人
- 非居住者
- 日雇労働者など
現在の私の状況 (2カ所から給与をもらっている)
2024年の年末現在,私は以下勤務形態をとっています.
- 自分の会社 (2022年から勤務)
- アルバイト (2024年2月から勤務)
このように2カ所から給与をもらっている場合,主たる給与と従たる給与に分ける必要があります.”給与所得の扶養控除等申告書”を提出している会社の給与を主たる給与と呼び,他は従たる給与と呼びます.なお,こちらの申告書は1カ所のみに提出します.私の場合,以下のように分けています.
自分の会社 | アルバイト | |
給与所得者の扶養控除等申告書の提出 | 提出する | 提出しない |
給与判断 | 主たる給与 | 従たる給与 |
実施事項
2カ所から給与をもらっている場合,上記では主たる給与と従たる給与に分けました.年末調整の実施有無については,以下表に記します.主たる給与の会社の年末調整は実施しますが,従たる給与の年末調整は実施しません.
ただし,次の年の2月15日から3月15日あたりにかかり所得税の確定申告を実行します.なお,2024年分の給与の場合,2025年2月17日から3月17日にかかり所得税の確定申告を実行します.
| 自分の会社 | アルバイト |
給与所得者の扶養控除等申告書の提出 | 提出する | 提出しない |
給与判断 | 主たる給与 | 従たる給与 |
年末調整 | 実施する | 実施しない |
参照
国税庁 | 2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収 (令和6年4月1日現在)
以上