公開日: 2022年2月13日
最終更新日: 2022年2月20日
私は,現在起業を準備しているクマガイと申します.
私はある会社(A社)に数年従事しておりましたが,2021年3月31日に退職しました.退職の際,A社と以下事項が記載された競合避止義務契約を締結しました.
・退職後1年間,A社の顧客と取引を行わない
・退職後1年間,A社と競業する事業を開業しない
私は,A社の一部のサービスに関連する業務の起業を予定しているため,会社を登記できるのは最短で2022年4月1日以降になります.
これから起業しようとしている方々は,競業避止義務契約の締結有無やその内容によって,起業成功の可否に迫られると思います.そのため,経済産業省が発行した「競業避止義務契約の有効性について」に基づく説明をいたします.
対象となる方
以下に該当する方にとって,有用な説明かと思います.
・競業避止義務契約の締結のある企業の従業員である
・起業しようとしている分野は,退職しようとしている企業の分野と競業する
・当該利益に関係していた業務を行っていた従業員である
競業避止義務とは?
競業避止義務とは,所属する企業における営業上の競業となりえる取引をしてはならない義務となります.ただし,日本には憲法における職業選択の自由があるため,競業避止義務が有効になりえるポイントがあります.以下にそのポイントを説明します.
競業避止義務が有効になりえるポイントは?
有効になるかのポイントは判例に基づくものなので,有効になる傾向があると考えるほうがよい.
3-1. 企業側には守るべき利益がある (競業避止義務の対象となるもの)
3-2. 従業員の地位 (競業避止義務の対象となる従業員の地位)
3-3. 地域的限定 (競業避止義務の対象となる地域範囲)
3-4. 競業避止義務期間
3-5. 禁止行為の範囲 (競業避止義務の対象となる禁止行為の範囲)
3-6. 代償措置 (競業避止義務を受ける代わりの見返り)
以下に上記ポイントの詳細を説明する.
企業側には守るべき利益がある
「企業側には守るべき利益がある」とは,競業避止義務の対象となるものを意味する.そのため,以下項目が競業避止義務の対象となり得る.
- 営業秘密
- 独自かつ有用性が高いノウハウ
- 製品の製造過程
従業員の地位
「従業員の地位」とは,競業避止義務の対象となる従業員の地位を意味する.そのため,以下項目が競業避止義務の対象となる従業員になり得る.
- 企業が守るべき秘密情報に接している従業員
地域的限定
「地域的限定」とは,競業避止義務の対象となる地域範囲を意味する.そのため,以下項目が競業避止義務の対象となる地域範囲になり得る.
- 全国展開チェーンの会社の場合,禁止の地域的範囲も全国
- 担当した営業地域ならびにその隣接地域
競業避止義務期間
「競業避止義務期間」とは,競業避止義務の対象となる期間を意味する.そのため,以下項目が競業避止義務の対象期間になり得る.
- 1年以内
禁止行為の範囲
「禁止行為の範囲」とは,競業避止義務の対象となる禁止行為を意味する.そのため,以下項目が競業避止義務の対象となる禁止行為になり得る.
- 競業
- 在職中に知りえた顧客との取引
代償措置
「代償措置」とは,競業避止義務を受ける代わりの見返りを意味する.そのため,以下項目が競業避止義務を受ける代わりの見返りになり得る.
- 待遇が通常よりも好条件
- 奨励金の支給
参照
以上